アドバイザー派遣事業とは
「中小企業アドバイザー派遣事業」は、高度化事業の実施を予定または実施している組合等が抱える経営課題について、専門家を派遣しアドバイスを行う事業です。
貸付前の計画作成段階から貸付後の事業運営上の課題まで幅広くアドバイス
約100名の多様な専門分野のアドバイザーが対応
無料で継続して利用可能
ご利用いただける方
・事業協同組合等の高度化事業の利用を予定する組合・組合員等
・すでに高度化事業を利用している組合・組合員等
費用
アドバイザーの派遣に係る謝金・旅費は、当機構が負担します。
よくあるご相談
・効果的な投資となるよう助言が欲しい。
・事業計画のつくり方について相談したい。
・収益力向上のためのアドバイスが欲しい。
等々 事業を進めるうえでのお困りごとがあればお気軽にご相談ください。

ご利用の流れ
アドバイザーの派遣に係る謝金・旅費は、当機構が負担します。
(1)申込書を都道府県等を通じて中小機構に提出します。
(2)申込書の業種や相談内容を勘案して、中小機構がアドバイザーの選定および日程調整を行います。
(3)アドバイザーが現地に赴き、アドバイスを実施します。
※お申込みの詳細は 利用者の手引き をご確認ください。また、お申し込みには必要な資料はページ下部の「関連資料」にございます。

活用事例
小千谷市東大通商店街振興組合(新潟県小千谷市)
地域住民との協働でまちづくり
小千谷市東大通商店街は、平成16年新潟県中越地震で被災し、地元スーパーが郊外へ移転したことで集客の核を失いました。これにより商店街の衰退が進み、地域住民の利便性を確保するために新たなスーパーの設置が必要とされました。
商店街は、中心市街地活性化の勉強会に参加し、そこでの学びをきっかけとしてアドバイザー派遣の活用に至りました。アドバイザー派遣の目的としては、地域住民の意向を反映した施設整備を行うための地域の諸団体を巻き込んだ組織づくりやニーズ調査の実施を目的としました。
具体的な取り組みとして、住民参加によるまちづくりを提案し、「東小千谷夢あふれるまちづくり協議会」を立ち上げ、住民アンケートを実施。また、地域住民と共にまちづくりを議論する場を設け、提言書を作成し、小千谷市長に提出しました。さらに、「東夢協」の下に審議会、運営委員会、実行委員会を組織し、野菜直売所や総菜販売店の計画も推進されました。
これらの取り組みにより、地域住民のニーズが明確化され、商店街の活性化に向けた具体的な運動に繋がりました。地域の需要に基づいた施設整備が進み、住民協働のまちづくりが実現しました。引き続き、商店街の集客力を高めるための中心的な施設の設置・運営、各店舗の顧客満足度の向上、そして地域住民や行政、商工会議所などとの協力関係の強化に取り組んでいます。

協同組合東広島ショッピングモール(広島県東広島市)
お客様目線を導入した売場実現へ
東広島ショッピングモールは、オープン当初から個店の業績悪化により組合員の入退店が激しく、組合の財務健全化が課題となっていました。そこで、アドバイザー派遣事業を活用し、お客様目線からの売場づくりを目指しました。
具体的な取り組みとして、来館者アンケートを実施し、商圏・顧客層を把握し、個店が取り組むべき課題(品揃え・接客)と組合として取り組むべき課題(回遊性向上・トイレの照度向上)を明確化しました。また、若手勉強会を活性化させ、後継者育成を行い、店舗運営の改善策を提案しました。地元の消費生活アドバイザーの力を借り、お客様の声を反映した売場作り・接客を進めました。 さらに、「ときめき広場」を活用し、イベントを開催して回遊性を高める施策を提案しました。組合事務所を売場に替え、組合員に店舗として使ってもらうことで組合収益を増やし、財務体質の健全化を図りました。
これらの取り組みにより、組合員の中には売上高昨年度対比100.0%をクリアするものが出始めました。また、「ときめき広場」でのイベントが定着し、組合員のモチベーションが向上しました。
引き続き組合員の固定化を図ること、トイレの照明入れ替え等施設設備の改修、個店の更なる魅力向上に向けて取り組みが続いています。

坂下商業開発協同組合(岐阜県中津川市)
店舗リニューアル検討をきっかけに
SC活性化に向けて組合員意識が結集
坂下商業開発協同組合は、オープンから10年が経過し、店舗の老朽化や周辺環境の変化に対応するため、店舗改装を含めた今後の方向性を模索していました。そこで中小企業アドバイザー派遣事業にて、組合員の経営課題の抽出と改善策の提案を行いました。
具体的な取り組みとして、必要賦課金の把握と店舗改装の検討を行い、賦課金の値上げが必要であることを認識し、売場面積を含め精査しました。また、組合員の経営状況を把握し、店舗改装に対する意見や要望を収集。個店経営の見直しと催事場の有効活用については、商品配置や陳列、インストアプロモーションの具体的改善案を提案し、共同催事場の有効活用を図るため、計画的な催事の内容やスケジュールの見直しをアドバイスしました。
賦課金基準の設定については、賦課金基準の見直しを行い、組合員全員が納得できるようにシミュレーションを実施し、駐車場使用料等についても明確な基準を設定しました。
組合のこれらの取り組みと、組合員の課題の明確化と改善への取り組みにより、売上向上に繋がりました。共同催事場の活用方法の見直しにより、賑わい感が演出され、来店客数が増加しました。賦課金の不公平感が払拭され、組合財政に対する意識が向上しました。 今後は、店舗改装に向けての準備(資金確保を含めた各売場の面積等の検討)や、地域のショッピングセンターとしての役割の確認とサービス強化に取り組んでいます。


坂下商業開発協同組合(岐阜県中津川市)
地域に愛される店舗を目指して
加悦谷ショッピングセンターは、リニューアルオープン後に業績が落ちてきた要因として、専門店の集客力が弱いことが挙げられました。また、組合員・店舗からの賦課金収入が借入金の返済財源となるが、法人税の負担が大きく、返済財源が不足する状況にありました。そこで組合は集客力の向上及び資金収支の改善のために、アドバイザー派遣事業を活用しました。
具体的な取り組みとして、アドバイザーによる直接指導で売り場の改善を実施し、お客様の立場に立った店づくりや売り場づくり、お客様に好感が持たれる接客を強化しました。資金面の改善では、法人税の納税による資金不足を算定し、組合員から出資金として返済財源の一部を預かる方法を検証。また、組合員が脱退した場合の対応について規約や第3次店舗リニューアルの投資額を含めた中長期の資金収支計画を作成しました。
これらの取り組みにより、売り場改善により集客力が向上し、専門店全体の底上げが図られました。資金面での課題解決により、組合運営の安定性が向上し、地域密着型店舗として地域住民に愛される施設となりました。これからも個店の安定した経営基盤づくりと組合運営の安定的な持続、後継者問題や人口減少・少子高齢化への対応、地域密着型店舗として地域住民に寄り添い、継続発展するために改善を続けています。
